緑と芸術に抱かれた街、ウブドを歩く
バリ島の中央高地に広がるウブドは、田園と寺院、そして芸術が溶け合う「文化の中心地」。王宮や市場、モンキーフォレスト、ライステラスを巡り、ワルンの一皿やゲストハウスでの出会いまで、実際に歩いて感じたウブドの楽しみ方をまとめました。
この記事の要点
- ウブドはバリ島の芸術・文化の中心地。徒歩で巡れる見どころが多く、街歩きそのものが楽しみになる。
- 定番スポットは、ウブド王宮・市場周辺、聖なる猿の森「モンキーフォレスト」、郊外のライステラス。
- 食事は地元の食堂「ワルン」が手軽。ナシチャンプル(おかず+ごはん)は約250円から味わえる。
- 宿はゲストハウスやホームステイが充実。1泊約1,000円から、ホストとの交流も旅の醍醐味。
ウブドとは?バリの「芸術と文化の中心地」
ウブドは、バリ島の中央部・高地に位置する街です。ビーチリゾートで知られるバリの南部とは表情が異なり、棚田の緑、川沿いの渓谷、点在する寺院、そして絵画や彫刻といった芸術が日常に息づいています。古くから画家や彫刻家が集まり、王家が芸術を庇護してきた歴史から、いまも「バリ芸術の中心地」と呼ばれています。
ウブドの魅力は、なんといっても歩いて回れることです。主要な見どころが中心部に集まっているため、路地をぶらぶらと歩くだけで、ギャラリー、供物を捧げる人々、緑あふれる中庭に次々と出会えます。近年はノマドワーカーやウェルネスを求める旅行者にも人気で、菜食(ベジタリアン)や健康志向のカフェ・レストランが多いのも特徴です。
街歩きで訪れたい定番スポット
ウブドの街歩きは、中心部から郊外の田園へと少しずつ足を延ばすのがおすすめです。実際に訪れて印象的だった3つのエリアを紹介します。
ウブド王宮・市場周辺
街歩きの起点になるのが、ウブド王宮(プリ・サレン)とその向かいに広がるウブド市場です。王宮は今も王家が暮らす歴史的な建物で、精緻な石彫りの門や中庭を無料で見学できます。夕方には伝統舞踊の公演が行われることもあり、旅の予定に組み込みやすいスポットです。市場では木彫りや布、かごバッグなどの手工芸品が並び、値段交渉を楽しみながら土産選びができます。
聖なる猿の森「モンキーフォレスト」
中心部から歩いて行ける距離にあるのが、モンキーフォレスト(聖なる猿の森)です。緑深い森のなかに14世紀ごろの寺院が点在し、1,000匹前後のカニクイザルが自然のままに暮らしています。柵の中の動物園とは違い、猿たちが自由に行き交う空間を歩くのは新鮮な体験です。2026年4月の改定により、入場料は外国人料金で大人IDR 130,000(約1,250円前後)、子供IDR 100,000。開園時間は9:00〜18:00(最終入場17:00)が目安です。
印象に残っているのは、一匹の猿が木陰ですっかり脱力して座り込んでいた姿です。人を気にする様子もなく、のんびりと自分の時間を過ごしていて、こちらまで肩の力が抜けるようでした。人に慣れているぶん、食べ物や光り物(サングラス・ペットボトルなど)は持たれてしまうことがあるので、手荷物はまとめておくのが安心です。
郊外のライステラス(棚田)
もう少し足を延ばすなら、郊外に広がるライステラス(棚田)へ。ウブドの北およそ9kmにあるテガラランの棚田は、斜面に幾重にも連なる水田が美しく、バリ伝統の水利組合「スバック」に支えられた景観です。このスバックの棚田は、2012年に「バリ州の文化的景観」としてユネスコ世界遺産に登録されています。中心部からはバイクや配車サービスで向かうのが一般的で、緑のなかを散策すれば、街とはまた違うウブドの表情に出会えます。
ワルンで味わうウブドの食
ウブドの食を気軽に楽しむなら、地元の食堂「ワルン」が一番です。ワルンは、店先に並ぶおかずを自分で選び、ごはんと一緒に盛り付けてもらうスタイルの大衆食堂。地元の人たちも日常的に利用していて、観光地価格ではないのがうれしいところです。
定番の「ナシチャンプル」(おかず数種+ごはん)は、だいたい250円ほど。並んだおかずを前に「これにしようか、いやこっちも」と選ぶ時間そのものが楽しく、日替わりで通いたくなります。ほかにも、スープや、ナシゴレン(インドネシア風チャーハン)、ミーゴレン(焼きそば)を出すワルンもあります。菜食メニューを掲げる店も多いので、その日の気分で選べるのがウブドらしさです。
| ワルンとは | おかずを選んで盛り付ける地元の大衆食堂。手軽で安い |
|---|---|
| ナシチャンプルの目安 | 約250円〜(選ぶおかずの品数で変動) |
| 定番メニュー | ナシゴレン、ミーゴレン、各種スープ、菜食メニュー |
| 向いている人 | 現地の日常食を気軽に試したい人、食費を抑えたい人 |
泊まるならゲストハウス・ホームステイ
ウブドには、ゲストハウスやホームステイが数多くあります。両者の違いをおおまかに言えば、ゲストハウスは宿泊者どうしがゆるやかに交流する宿、ホームステイは現地の家族の一員のように滞在する宿です。プライバシーを保てるホテルも良いですが、ウブドの暮らしを肌で感じたいならこの2つが向いています。
私はゲストハウスに泊まりました。料金は1泊1,000円ほどと手頃で、その分ホストや他の宿泊者との距離が近いのが魅力です。宿泊者には2〜3か国語を話す人もいて、言葉を交わすうちに世界が広がっていく感覚がありました。家庭にお邪魔する感覚に近いので、あいさつや簡単なルールを大切にすると、滞在がぐっと心地よくなります。旅先で強く感じたのは、相手へのリスペクトがあってこそ良い出会いが生まれる、ということでした。
なお、静かに過ごしたい日や体調を整えたいときは、プール付きのホテルやヴィラを組み合わせるのもおすすめです。滞在の目的に合わせて宿のタイプを使い分けると、ウブドをより快適に楽しめます。
街に息づく彫刻とアート
ウブドを歩いていて何度も足を止めたのが、街のあちこちで見かける彫刻です。特別な美術館に入らなくても、店先や門、庭先に置かれた石像や木彫りが、まるで日常の一部のように佇んでいます。
像の魅力は、なんといっても表情の豊かさです。顔の造作ひとつで印象が大きく変わり、座っているもの、中腰のもの、腰掛けているものと、姿勢によっても味わいが違います。人の手だけでこれほどの造形が生まれることに驚かされ、眺めているうちに時間を忘れてしまうほど。芸術の街ウブドでは、歩くこと自体が感性を刺激する体験になります。
よくある質問(FAQ)
ウブドは徒歩でどのくらい回れますか?
ワルンでの食事はいくらくらいですか?
宿泊はどのタイプがおすすめですか?
モンキーフォレストで気をつけることは?
ウブドはどんな旅行者に向いていますか?
まとめ
ウブドは、バリ島の芸術と自然が凝縮された街です。王宮や市場を起点に、聖なる猿の森や郊外のライステラスへと足を延ばせば、緑と文化に包まれた一日が過ごせます。ナシチャンプルは約250円、ゲストハウスは1泊約1,000円と旅の費用を抑えやすく、そのぶんワルンでの一皿やホストとの会話といった、人と暮らしに触れる時間を存分に味わえます。
次にバリを訪れるなら、南部のビーチだけでなく、ぜひウブドで数日を。歩くほどに新しい発見があり、旅のヒントがきっと見つかるはずです。
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